さて、次回に引き続き製版を作る為に、木枠に(テトロン)紗を張っていきます。
紗の材料には言葉の由来である絹やナイロン、テトロン、ステンレスなどがあります。これらの繊維の「網目」からインクが押し出されていくのです。

従って、網目のサイズが印刷物のジャギーや繊細さを決める事になりますが、細かくすればする程、インクの目詰まりが発生するので適切な選択をする事が重要みたいです。この網目のサイズを「メッシュ数」(1インチあたりの線数。LPIですね。)で呼んでいます。
ちなみに、用途別にまとめると
・紙への印刷(版画用途) #200
・布への印刷 #100-150 (生地の繊維の太さなどで使い分け)
・金銀等の特色は #80
てな具合のようです。
今回はTシャツを目的にするので#100、#120番でチェック。

img_1836

#100と#120の違いはパッと見わかりませんが、良く見ると確かに120は細かいかも・・。
インクの目詰まりも心配なので#100からスタートします。
img_1839img_1838
左が#100、右#120 比較して初めて分かる程度。

1.木枠への取り付け
いろんなやり方があります。
入手が簡単な方法として「グルーガン」で融着。ボンドで固着。があります。
今回はボンドでやります。ボンドはなんとなくベタベタしてテトロンに着きそうな感じがしますが、実はボンドをしっかりと乾燥させてからするので他の部分を汚しません。
では始まり始まり。

1)木枠にボンドを塗ります。
img_1840

ボンドを「ヘラ」などで平たく延ばします。薄っすら付いているだけでもしっかりと着きます。
そしてボンドをべたつかなくなるまで乾燥させます。

2)テトロン紗を適当なサイズにカット。
テトロンは木枠にピンと張るので木枠よりも一回り大きめにカットしておく必要があります。
img_1841
この時は既にボンドが乾いているのでくっ付きません。大体の位置を決まれば十分です。

3)木枠への固定
まず、1か所テトロンと木枠を接着します。
この時に小さな(5cm程度のミニアイロン。コテのようなものでも)アイロンでこの乾いたボンドの上を60度程度の低温でちょっと押すだけでボンドが溶けて固まります。あっという間にくっ付きます。
img_1847 img_1846
1か所固定できたら順番に隅を(仮)固定します。あえて(仮)にしているのはぐっと引っ張れば剥がれるので再度張り具合を調整する事もできますし、そのままでいい場合もあるからです。
結構な力で張って行くので、できれば押え金具などで固定しておくといいかもしれません。
img_1843
4点が決まったら周囲の辺もチェックしながら均等の力になるように「点」でアイロン固定していきます。
最後は、アイロンの「面」でしっかりと押さえておしまい。
不要なテトロンはカッターでカットしてできあがり。
img_1832
次回は感光材の準備をします。