Staff 長谷川です。
3Dプリンタの使い方は以前記事を書きましたが、3Dプリンタを購入した方から良く聞く事で「何を作ったらいいか分からない」「どう作ったらいいか分からない」と事を良くお聞きします。

どう作ったらいいか分からない方には操作方法のアドバイスができるんですが、「何を作ったらいいか分からない」という方にはちょっとした発想の転換が必要かと思います。
多くの方はフイギュア(人形)、模型など大型の作品を作ろうと思い、始めたものの、何から手を付けたらよいのか悩んでいる方が多くいらっしゃるのを感じます。
最初から複雑な造形データを作るのはとても大変です。

私たちは3Dプリンタはもっと身近な道具だと考えています。
今回、もっとプリンタを使ってもらいたいと思い当施設での使用事例をご紹介します。

今回ご紹介する作品は当FABLABを運営していく上での課題実例を解決する為に製作したものです
この内容は9月17日に予定してます、プログラミング教室で使用するUSBカメラの固定方法をどうしようか?からの製作話。

1.私達の課題
このUSBカメラはノートPCの画面上部に挟んで使用する設計の為、三脚で使用するにはとても不便です。
テープで貼ってみたものの美しくないです。
さて、どうしたもんじゃろうな?という事で知恵を出し合いました。
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2.課題解決のシナリオ
USBカメラと三脚のカメラ固定ネジをドッキングするToolを作ろう!
しっかり作るんであれば「アクリル削り出し」か?
いやいや、3Dプリントで充分じゃね?
そうだ。3Dプリントしよう!

3.解決策
1)USBカメラを採寸します。ノギスでやるのがベターですよね。どんな止め方するにしても遊びが大きすぎるとグラグラになります。
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2)採寸した寸法を元にFUSION360でデータ作成します。見たくれよりも機能重視。そしてシンプルに。

レンダリングしてイメージを確認する事が重要です。
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3)プリント。これは前回の記事を参考にしてください。

4)できた!
レンダリングのイメージ通りにと言いたい所ですが、やはりサポート材などの除去などは必要です。
しかし、サイズは寸分の狂いもなくピッタリと。計算通りですね。
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これならば、必要な時に差し込むだけで使えるアダプタができました。
どうでしょうか。3Dプリンタはもっともっと身近なものに利用できるんです。

これを私たちは「ツール」「治具」などと呼んでいます。これらの治具はモノを作る上でなくてはならない2次的な道具です。
特別なものを作るのではなく、仕事や生活の中で必要なものを作る。
その時にこそ、フレキシブルな3Dプリンタの本領が発揮されます。
身近にも困り事が一杯ないですか?
どんどん活用しましょう。